「まだ誰も知らない、あんスイーツを作りたい」
あんぱんは、たいてい朝に食べられている。 けれど〈あん、くるり〉の開発が始まったとき、開発担当の上田が思い浮かべていたのは、朝の食卓ではなかった。夕方、仕事や家事がひと区切りついて、お腹は空いていないけれど何か甘いものが欲しくなる——あの数分だった。
「あんこが食べたい、という気分は意外と急に来るんです。でも、そのときに手が届くところに“ちょうどいいあんこ”がない」
「あん、くるり」は、粒あんとミルククリームを生地でくるんだ“生あんぱん”だ。想定しているのは、20代後半から40代の女性が、コンビニに寄ったついでに買って、その日のうちに食べる場面。冷蔵ケースから出して、包みを開けて、そのまま食べられる。皿もフォークもいらない。
「和菓子屋さんのあんこは、たしかにおいしい。でも“わざわざ買いに行くもの”です。ケーキほど重くなくて、どら焼きほど素朴でもない。その真ん中が空いていました」
だから、あんこを主役にしながら、ケーキのようなご褒美感を持たせる。この二つを同時に成立させることが、企画のスタート地点になった。


目指したのは「もちっと」と「口の中でとろける」の同居。しかしこの二つは、逆を向く食感。もちっとさせようとすれば生地は締まってほぐれにくくなり、とろけさせようとすれば頼りなく薄くなる。
「世の中のあんぱんや、美味しいパンや和菓子を調べて、探して、研究しました。おもちのもちもち感とは異なる、パン生地ならではの噛み締めるようなもちっと感をイメージして開発を始めましたが、なかなか思うような生地に巡り会えず...。そんな時に、ある日何気なくパン屋さんで買ったパンの食感が理想に近く、参考にしながら開発を進めていきました。」
「あん、くるり」はコンビニの冷蔵ケースで売られる商品。店頭で数日間にわたり販売される過程で、あんとクリームの水分は少しずつ生地へ移っていく。そのため、水分の移行を考慮して生地の配合を設計。作りたてのおいしさより、翌日のおいしさを確認しながら開発を進めた。
「“もちっと特製生地”と名前をつけた以上、こだわり抜いて開発しました。」
発売後、購入されたお客様からのWEBアンケートでは、満足度・再購入意向・人にすすめたい度はいずれも85%を超えた。
また、満足度の理由として「生地が美味しい」という声が半数以上、上がった。
「あんこを褒めていただけるのは、ある程度予想していました。でも生地を名指しでここまで気に入っていただけるとは正直想定外で、いちばん時間をかけたところだったので嬉しかったです」
一方で、宿題も残った。「もっと大きいと良い」「もっともっちり感が欲しい」という声や冷やしたときの食感についての指摘も届いた。
「褒められた場所と、直さなきゃいけない場所が同じなんです。生地って、いちばんの武器で、特徴にこだわったのでその分、賛否が集まりました。」
上田は、「あん、くるり」を完成品だと思っていない。
「発売してみて、嬉しいお声はたくさんいただきましたが、まだまだ期待に答えられていないと感じることは多いです。」
夕方、なんとなく甘いものが食べたくなったとき。冷蔵ケースの前で、これを選んでくれる人が一人でも増えるように。改良は、まだ続いている。

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【ついに全国発売デビュー!】 スイーツ生あんぱん「あん、くるり」 9月29日(火)より全国のセブン-イレブンにて発売開始。
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